教科書 › 第I部 半導体の理論
CHAPTER 03
pn接合 ── 一方通行をつくる
n型とp型を接触させると、面白いことが起きる。境界付近では、n型側の余った電子がp型側の空席(正孔)へ拡散していき、互いに打ち消し合う。その結果、境界の周りにはキャリアがいない層ができる。これを空乏層
という。
電子が移動した後には、n型側にプラスの、p型側にマイナスの電荷が取り残される。すると空乏層の内部に電界が生まれ、これ以上の拡散を押し戻す。やがて釣り合ったところで止まる。この釣り合いの状態が、pn接合の初期状態である。
ここに外から電圧をかけるとどうなるか。
- p側にプラスをかける(順方向)
- 空乏層が押しつぶされて薄くなり、キャリアが行き来できるようになる。電流が流れる。
- n側にプラスをかける(逆方向)
- 空乏層がさらに広がり、キャリアがいない領域が厚くなる。電流はほとんど流れない。
つまりpn接合は、一方向にしか電流を通さない部品になる。これがダイオードであり、交流を直流に変える整流の基本になる。
そして応用範囲は広い。逆方向に強い光を当てれば、光のエネルギーで電子が飛び出して電流が生まれる。これが太陽電池とイメージセンサだ。順方向に流して電子と正孔が再結合するときにエネルギーを光として放出させれば、LEDになる。pn接合ひとつで、整流・受光・発光がすべて説明できる。
カメラのセンサも、太陽光パネルも、信号機のLEDも、原理は今読んだこの1つ。並べて覚えるより、この構造から導けるほうが忘れない。
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